「パターン学習」、問題集の「繰り返し学習」は、学習したことを定着させるために非常に有効な方法です。前々回のブログにも、忘れそうになった時に、繰り返し暗記することが重要と書きました。しかし、注意しなければならない落とし穴があります。
まず、パターン学習について述べます。パターン学習は、算数、数学などで同じような問題を何問も解いて、その種の問題の解き方を定着させる方法です。理・数系が苦手な生徒にとっても、解けなかった問題が解けるようになるので、わりと楽しく勉強できます。教える側も、解けるようになったことをほめることもでき、わりと楽な教え方の方法です。ここで注意しなければならないことは、解いた問題が本当に定着できているかどうかです。パターン学習では、次の問題を解くときに、前の問題で解いたときに使った式と同じように立てて解けばよいので、あまり考えなくても解けてしまいます。一時的にはできるようになって、テストでもちゃんと解けるかもしれません。しかし、あまり考えずにまねすることによって解いていると、時が経過すると結局は解けなくなってしまいます。私自身も、たとえば、中2の連立方程式の速さの文章題などで、パターン学習を使いますが、生徒にはよく読んで、まねをするのではなく、一問、一問、考えて解くように言います。
次に、問題集の繰り返し学習について述べます。普通にまじめな生徒達は、テスト前に学校の問題集を2、3回まわり解くようです。生徒それぞれの状況によって異なってきますが、簡単に解けるような問題を繰り返し解く必要はないと思っています。まだ自力で解く自信がない問題には、問題集に印を付けて、何回も解いて自信が持てるまで繰り返すと良いです。それに似た問題も他の問題集で解いてみると良いです。繰り返し学習だと、2回目、3回目は、解き方を覚えているので、ほぼ考えなくても解けてしまいます。あまり頭を使わなくてもできてしまうので、勉強も楽です。その分、思考力、応用力などの実力が付きにくいことになります。私としては、繰り返し学習に偏っている生徒には、別の新しい問題を解くことをすすめます。逆に、できなかった問題の復習ができていない生徒には、繰り返し解いてマスターするように言います。つまり、自分にとって難しい問題は繰り返し解くことと、他の新しい問題にも取り組んで実力をつけるようにすることが重要です。
そして、以上に述べたことは、学校の先生、特に学校のテストによって大きな影響を受けます。学校の問題集をとにかく繰り返し行うことをすすめる先生。それに対して、実力をつけることを優先する先生。前者の先生は、ほぼ問題集と同じ問題をテストで出題するでしょう。後者の先生は問題集と異なる問題が主となるでしょう。当塾から一番近い中学では5年前くらい以前と現在を比べると、特に理数系教科では、先生の入れ替わりによって学校全体が変わりました。5年前くらいは、生徒たちは、「テストは学校の問題集からほとんど出ないし、テストの問題は学校の問題集よりもだいぶ難しいです。」とみんなが言っていました。生徒たちにとって、将来を長期的視点で見たとき、意識的に実力がつくように勉強が取り組めたほうが良いのは明らかです。
最後に、まとめとして、生徒それぞれが、まだ自信のない問題を絶対に解けると自信が持てるまで繰り返し解くことが重要です。さらに、違う新しい問題を解いて実力をつけるように勉強することが重要です。