今回のブログは、生活の中の算数「速さ」に続いて「割合(パーセント)」編になります。
「速さ」と同様に、「割合(パーセント)」も生活のなかに根付いていないと、中学以降の数学で、良い結果を出すのは厳しくなります。小学校の算数では、教科書で習うことやテストは簡単すぎて、その事柄があまりわかっていなくてもできてしまいます。小学校の算数において、将来につながる大事なことは、生活の中に算数が根付いて、算数が本当にわかっているかどうかです。
私自身、塾で生徒たちに勉強を教えられるのも、小さい時から運良く算数が生活の中で理解できていたことが大きいと思っています。1割引きとか、20%引きでいくらになるかは、小さいころから生活の中で身についていました。私が、小学5年くらいの頃、戦車や戦闘機や軍艦などのプラモデルをつくることがはやっていて、お店に子供たちだけで買いに行っていました。そこでは、定価の1割引きで売られていたので、定価1200円のものは1080円、900円のものは810円になることがすぐに計算できました。また、同じ頃に、野球での打率も簡単に計算していました。3打数1安打だと1÷3=0.33・・・で3割3分3厘、4打数1安打だと1÷4=0.25で2割5分とかすぐにわかりました。昭和の子供たちは、生活(遊び)の中で、主に、友達同士のやりとりで、算数やその他のことを身に着けていったものでした。現在の社会では、小学生の子供たちだけで遊ぶことも少なくなってきているようですし、子供だけで、お金を持って何かを買いに行くことはほとんどなくなっています。小学生の高学年の子供が、生活の中でどのようにして、「割合」を身に着けたら良いかを続いて書くつもりでしたが、あまり、良い例が見当たりません。スーパーマーケットに親子で買い物に行ったときに、たとえば、2500円のお寿司のセットに30%の値引きシールが貼ってあったとき、「このお寿司、いくらになる?」と親が子供に聞くという例くらいしか思いつきません。
現在の社会では、月ごとに決めた金額の小遣いを与えて、信頼して、ある程度、自由に使わせることは、少なくなってきているようです。現在の子供たちは、勉強は良くしているけれど、数の感覚や応用が弱い子が多いように思います。最終的に、理系に秀でている人たちは、子供の頃から生活の中で算数ができていたと思います。
高校では、金融教育が家庭科で取り入れられました。また、小学校のうちから、お金の教育(金融教育)を取り入れていこうととする考え方が少しずつ広がってきています。日本は、他の先進国と比べて、そのような教育がかなり遅れているようです。お金のことを教育の場に持ち込むことは、不健全な風潮もありましたが、これからは、堂々と取り入れていくべきとも思いますし、なにより、算数の教育にプラスとなります。
たとえば、小6くらいの子には、「100万円を年利0.4%、または、4%の定期預金に預けた場合、10年後には、それぞれいくら受け取ることができるかな? 」と聞いて家族で会話したら良いと思います。その時、お父さんは「お父さんが、会社に入ったばかりの頃は、定期預金に預けると、4%くらいの金利はついていたんだよ。今は、0.4%の金利がもらえればいいほうかもしれないね。」と言えば、社会の勉強にもなります。
当塾でも、「速さ」や「割合」などの事柄は、最重要視して教えていますが、それらのことが深くわかっていない子は、中学からの数学では、苦労することになります。逆に、小学校のころから、生活の中でもそれらのことが取り入れられて、深くわかっている子は、勉強すればするだけ、ぐんぐん成績も伸びていきます。
私が20年以上教えてきた経験では、「速さ」や「割合」などの項目は、ただ公式に当てはめるのではなく、深くわかっているかどうかが、将来の学業につながることは、間違いありません。