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計算は工夫することが重要

 

 まず、次の計算問題を解いてください。うまくやれば、30秒で簡単に解けます。

      161×180÷23

 

 

 答えは、1260です。まず、先に、161÷23を暗算します。23の7倍は161になるので161÷23=7になります。次に7X18も暗算して126になります。本当は、×180なので126に0をつけて(10倍して)1260になります。工夫すれば、簡単にはやく正確に解くことができます。実際、小、中、高生のそれぞれの計算において、うまく計算できるか、できないかで大きな違いがでてきます。上のような計算は、小学校の高学年の範囲ですが、学校では、このような計算問題にでくわしたとき、左(前)から順番に筆算でやるように教える先生がほとんどのようです。この計算問題で一番大事なことは、161が23で割れそうだと想像することです。すぐに急いで筆算の式を書くのではなく、一瞬考えることです。算数、数学の問題では、こうやってやったら簡単に解けるかもしれないと想像することが重要です。中学入試、高校入試、大学入試の問題の作成者の多くは、受験者がどのように考えて、解いてくれるかを見たいのです。だから、たとえば、私立の高校入試や中学入試の計算問題はそのような工夫して解く問題がメインになります。

 計算問題に関しては、いつも、私は、「工夫してゆっくり落ち着いて、要領よくはやくやろう。」と生徒たちに言っています。そのことを小学校の算数で身につけていかなければなりませんが、はっきり言いまして、ほとんどの学校では、教えてもらっていなくて、逆に、無駄が多いやり方でやらされるのが現状です。そのことに加えて、おかしいことは、中学に上がる前までに、分数、少数、整数が混ざった四則(足し算、引き算、掛け算、割り算)計算を完全にできるようにしていかなければなりませんが、学校の算数ではほとんど練習していません。少し難しい四則計算を、途中式を書いて解いていくことを、小6までに学校で練習することをほとんど行っていないようです。私が塾を開いた20年ほど前は、そのような四則計算は結構、教科書でも取り扱われていましたし、かなり計算練習したものでした。一番新しい教科書では扱われるようになってきているようです。小学校卒業までに、そのような四則計算をマスターできていないと、中学の正の数、負の数の計算でつまずくことは明らかです。小6の結構難しい四則計算の問題は、中学では、普通か、簡単なレベルの計算問題になります。「小学校英語の問題点」のタイトルでブログに書いたのと同様に、小学校の算数も中学以降の数学へのつながりが、しっかりと考えられているのかと疑問を持っています。小学校の算数は、教科書で扱う問題のレベルが簡単すぎて、そのような問題に取り組んでも、思考力や応用力がほとんど育たないと思っています。計算問題は、筆算が中心で、暗算はあまり取り扱わないようですし、少し難しい四則計算で式を変形して、途中式を書いて解いていくことなど、ほとんど行われていません。

 いろいろと書きましたが、まとめますと、計算は、いつも工夫することを心がけることが大切です。そうすれば、計算がうまくなって、楽にはやく解けるようになります。算数、数学が前よりもおもしろくなっていくかもしれませんし、思考力もついていきます。